Gaiaデータの最初の公開(Gaia DR1)が2016年9月14日に行われました。 世界中の誰でもカタログを使うことができます。 Gaia Archiveのページ または、日本の国立天文台の JVO(Japanese Virtual Observatory) からカタログにアクセスできます。
個人的な印象としては、とにかくお手軽にデータを取得するためにはGaia ArchiveのSimple Form、 取得したいパラメーターとその制限範囲が明確な場合にはJVOのページ、他のカタログとのマッチングや複雑な処理を行いたい場合にはGaia ArchiveのADQL Formの直接編集、がお勧めだと思っています。ぜひ両方使ってみてください。そして、用途に応じて使い分けてください。
ここではGaia archiveのページからSinmple Formを用いて、プレアデス星団(すばる)の星のデータを取得する方法を例にして、基本的な使い方を説明します。
  • Gaia archiveのページを開き、[SEARCH]のボタンを押します。[Simple Form]のページが開きます。
  • 中心座標を決定します。天体名で座標を指定するため、[Name]を選びNameの枠内にpleiadesと入力します。その下に[pleiades resolved by Simbad]と出ればOKです。Simbadという天体カタログのデータが使えるという意味です。[Not resolved]の表示の場合にはスペルを確認してください。[Equatorial]を選んで座標を入力することもできます。
  • 検索範囲を決定します。選択した座標を中心とした半径3度以内の星を抜き出すように指定しています。範囲は長方形で指定することも可能ですし、サイズは度を使う他に角度分(1/60度)や角度秒(1/60秒)を用いて指定することもできます。
  • カタログを選択します。距離を表す年周視差や固有運動の情報が欲しいので、TGASを選択します。
  • この条件では星の数が1000個を超えるので[Max. number of results]を2000に設定します。
  • 準備ができたら、個数指定の右にある[Show Query]ボタンを押します。
  • 検索書式のページになります。文法が理解できたらここで直接編集することもできます。
  • 左側に選べるカタログ一覧があります。TGAS天体のカタログはこの画面では最も下に見えています。
  • Job nameの欄に入力することで検索結果を区別するための名前を付けることができます。空欄のままだと勝手に適当な番号が振られます。
  • 準備ができたら、検索書式の右下の[Submit Query]ボタンを押して検索を行います。
  • 検索結果が出ました。1166個の天体がヒットしました。
  • 左上から3番目の[Query Results]のボタンを押すと個々の天体の情報一覧を見ることができます。
  • ただし、このままではプレアデス星団の向こう側にある遠方の星が大量に含まれているので、絞り込みを行います。
  • 左上の[Simple Form]のボタンを押して絞り込み条件の入力を行います。
  • 左下の[▼Extra conditions]のボタンを押して、出てきた[+Add condition]を押すと条件を加えることができます。
  • プレアデス星団の星はほぼ同じ速度で一緒に運動していることを使って星団の星に絞り込みます。赤経方向の固有運動速度(pmra)と赤緯方向の固有運動速度(pmdec)の条件を入力します。それぞれ1年間におよそ20ミリ秒角と-45ミリ秒角の速度を中心に幅をもたせて範囲をしています(1ミリ秒角は1/1000角度秒のことです)。
  • 準備ができたら[Show Query]ボタンを押します。
  • 検索書式の画面になるので、確認後、[Submit Query]のボタンを押します。
  • 検索結果が出ます。135天体に絞り込まれました。これらはほとんどがプレアデス星団の星です。
  • [Query Results]で結果を見てそれを解析することできますし、単にデータのダウンロードもできますが、ここではTOPCATを用いた解析方法を紹介します。 左側の[TOPCATを用いた解析例]を選んでください。
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