GAIA DATA RELEASE 1 (GAIA DR1)の内容
 Gaiaデータの最初の公開(Gaia DR1)が2016年9月14日に行われました。 世界中の誰でもカタログを使うことができます。 Gaia archiveのページ または、日本の国立天文台の JVO(Japanese Vairtual Observatory) からカタログにアクセスできます。
 Gaia DR1の内容は以下です。
  • 観測期間
  •  Gaia DR1は2014年7月25日から2015年9月16日の間にGaiaが行った観測に基づいた解析結果です。
  • Gaia DR1に載っている天体の個数
  • 総計 1,142,679,769
     TGAS天体(primary天体)2,057,050
       - Hipparcosカタログの天体93,635
       - Tycho-2カタログの天体1,963,415
     secondary天体(TGAS天体以外の天体)1,140,622,719
     セファイド型変光星の光度曲線599
     琴座RR星型変光星の光度曲線2595

  • カタログに載っているデータ
  •  すべての星に対して、天球上での星の位置(α:赤経, δ:赤緯)と明るさ(Gバンドの等級)が載っています。 GバンドとはGaiaの観測波長帯のことで、可視光を中心として一部紫外線や赤外線も含む幅広い波長帯です。全部で11億個以上の星のカタログです。
     TGAS(Tycho-Gaia Astrometric Solution)天体(primary天体とも呼ぶ)に対しては、位置天文学の5個のパラメーターと明るさが載っています。位置天文学の5個のパラメーターとは星の位置と固有運動速度(位置の変化率)および年周視差の角度(距離に対応)です。
     TGAS天体とは、HIPPARCOS計画によって作られた最大のカタログTycho-2カタログとGaiaの観測データを組み合わせて、解析がなされた天体です。およそ200万個の星がこの分類になっています。
     観測当初の4週間には特殊なモードで観測を行い、マゼラン銀河の周辺を高頻度で観測しました。その結果、その領域で観測された琴座RR星型およびセファイド型変光星についてもGaia DR1カタログには載っています。
     2152個のクエーサーについても位置と明るさが載っています。
    Gaia天体と他のカタログとの対応関係については、 Hipparcos-2, Tycho-2, 2MASS PSC, GSC2.3, PPM-XL, UCAC-4, SDSS DR10 / DR12, AllWISE および URAT-1 のカタログデータとの対応が調べられています。
  • Gaia DR1の限界
  •  限界等級:G=20.7等。ただし、7等よりも明るい星では観測モードの制限から多くの欠落があります。観測期間が十分ではないことから領域によって観測限界はかなり異なります。また、連星や固有運動の大きな星そして非常に赤いまたは青い星などは載っていません。これらの問題点は次のカタログ(Gaia DR2)で大きく改善される予定です。またGaia DR2ではGaiaによるドップラー効果の観測に基づいた視線方向の運動速度の情報も公開される予定になっています。
トップページへ